求人票の下書きをAIに頼む前に — 入力する情報と、出す前の点検10項目
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求人票の下書きをAIに頼む前に — 入力する情報と、出す前の点検10項目

/ 約24分 / 執筆: 株式会社Beta(ツバメAI面接 運営)

ChatGPTなどの生成AIで求人票の下書きを作る採用担当・店長向けに、求人票に入れる項目の表、AI下書きを人が点検する10項目、AIに入力してよい情報のメモを示します。2024年4月1日施行の追加3点も確認できます。

介護や店舗、物流などの現場で、ChatGPTなどの生成AIに求人票の下書きを作らせようとしている採用担当・店長の方に向けて、下書きを出す前に使う道具を3つ用意しました。先に結果を書くと、求人を出す企業向けに、求人票へのAI利用を直接扱った公的な指針は、編集部が確認した範囲では2026年10月31日時点で見つかっていません。 条文は、文面を何で作ったかを区別していません(編集部の読み)。AI活用の入口にあたる、どの工程にAIを入れるかの整理は、採用にAIを入れる前に決める5つのこと — 7工程の向き不向き表と10問診断にまとめています。

この記事で持ち帰るものは、次の3つです。

  • 表1 求人票に入れる項目: 職業安定法の的確な表示、募集広告の6項目、2024年4月1日施行の追加3点
  • 表2 AI下書きの点検表: 10項目。見る場所と確認の仕方つき
  • 表3 AIに入力してよい情報のメモ: 入れる事実と、入れない情報

1. 求人企業向けの、求人票へのAI利用を直接扱う公的指針は見つかっていません

調べたのは、厚生労働省の求人の表示・明示に関するページ、厚生労働省職業安定局のAI関連資料、職業安定法の条文(e-Gov法令検索)、全国求人情報協会(全求協)の倫理綱領・掲載基準と、その検索結果です。求人を出す企業向けに、求人票へのAI利用を直接扱った公的な指針は、この範囲では見つかりませんでした。全求協の倫理綱領にも、AIに関する記載は見つかっていません。厚生労働省職業安定局は2025年4月に、ハローワーク側でAIが求人票の作成・添削を支援する方向性を公表していますが、求人を出す側への指針ではありません(出典12)。ただし、「無い」と断定できる調べ方はしていません。

見つからないことは、AIの下書きをそのまま出してよいという意味ではありません。職業安定法5条の4は、求人等に関する情報について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないとし(第1項)、正確かつ最新の内容に保たなければならないとしています(第2項。出典1)。第1項の対象には、職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者などが含まれます。第2項の対象は「労働者の募集を行う者及び募集受託者」に限られ、自社で募集を行う企業や募集受託者は、第2項の対象です(出典1)。

全求協の倫理綱領と掲載基準は、求人情報提供事業各社(求人メディア)に向けたものです。倫理綱領は、第2項で「真実なものであって、法令及び社会倫理に違背するものであってはならない」と、第3項で「誤解を生じさせることがないよう、平易な表現を用いるなど、的確な表示に努めなければならない」と定めています。掲載基準の事前確認では、「実際の労働条件と相違する内容を含むもの」の掲載を差し控えるとしています(出典2)。

これらの条文や綱領は、文面を何で作ったかではなく、表示の中身を問う形で書かれています(編集部の読み)。そこでこの記事は、生成AIの下書きを、人が書いた下書きと同じ基準で点検する形で組みました。

利用している・したい場面の数字も1つだけ置きます。学情の調査(2026年6月15日公表。企業・団体の人事担当者への調査で、有効回答295件)で、キャリア採用への生成AI利用に前向きな企業に聞いた複数回答の最多は、求人票の作成・ブラッシュアップの65.3%でした(出典3)。前向きな企業の人数は本文に記載がなく、全企業の65.3%ではありません。

2. 求人票に入れる項目 — 的確な表示・募集広告の6項目・2024年4月1日施行の追加3点

表1は、求人票に入れる項目と守る原則を、出典の番号つきで並べたものです。AIに下書きを頼む前に、自社の事実を用意するための一覧としても使えます。条文や告示の文言は要点を載せています。各出典の原文もあわせてご確認ください。

区分 求人票に入れるもの・守ること 出典 対象・注記
的確な表示(職業安定法5条の4) 虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしない(第1項)。正確かつ最新の内容に保つ(第2項) 出典1 条文の見出しは「求人等に関する情報の的確な表示」。第2項の対象は、労働者の募集を行う者及び募集受託者
募集広告の6項目 募集主の氏名(又は名称)、住所、連絡先(電話番号等)、業務内容、就業場所、賃金 出典4 募集広告に表示が必要な項目として、厚生労働省の資料と通知に記載がある
2024年4月1日施行の追加3点(職業安定法施行規則) 従事すべき業務の変更の範囲/就業の場所の変更の範囲/有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む) 出典5・6 対象は、求人企業・職業紹介事業者など、労働者の募集や職業紹介を行う場合。ハローワークの求人申込みでは、求人票への明示を依頼している
固定残業代を設けるとき 固定残業代の計算方法(算定の基礎の労働時間数と金額)/固定残業代を除いた基本給の額/固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働分の割増賃金を追加で支払うこと 出典8 職業紹介事業者等指針(平成11年労働省告示第141号)第三の一(三)ハ。求人者・労働者の募集を行う者などが従う事項
試用期間を設けるとき 試みの使用期間に関する事項を明示する 出典9 募集時の明示事項のひとつ(職業安定法施行規則4条の2第3項)
表示で守ること 明示する内容を虚偽・誇大にしない(第三の一(三)イ)/賃金等を実際よりも高額に見せない(第四の二(三))/募集情報の時点を明らかにし、募集の終了・変更時は情報を速やかに終了・変更する(第四の三) 出典8 職業紹介事業者等指針(平成11年労働省告示第141号)

2024年4月1日に追加された3点

厚生労働省は、2024年4月1日から、労働者の募集や職業紹介を行う求人企業・職業紹介事業者などが募集時に明示する事項として、次の3点が加わったと案内しています(職業安定法施行規則。出典5)。

  • 従事すべき業務の変更の範囲
  • 就業の場所の変更の範囲
  • 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)

ハローワークの求人申込みについて、山口労働局は「求人票に以下の①~③の明示をお願いします」と案内しています(出典6)。求人票の下書きができたら、AIの文章の出来を見る前に、この3点が入っているかを確認します。

労働契約を結ぶときの明示とは別です

労働契約を結ぶとき・更新するときの明示(労働基準法施行規則)にも、2024年4月1日に4項目が追加されました(出典7)。こちらは契約の締結・更新時の明示で、求人票の段階ではありません。求人票の下書きを点検するときに見るのは、表1の募集時の3点です。

固定残業代と試用期間を設けるときの明示

固定残業代を設ける場合、職業紹介事業者等指針(平成11年労働省告示第141号)は、計算方法、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業時間を超える分の割増賃金を追加で支払うことの3点を明示するよう求めています(出典8。第三の一(三)ハ)。試用期間は、募集時の明示事項のひとつ「試みの使用期間に関する事項」に含まれます(出典9)。

3. AI下書きの点検表 — 公開の前に人が確認する10項目

表2は、AIが作った求人票の下書きを、公開の前に人が点検する10項目です。点検の項目と並べ方は編集部の整理で、関連する出典がある項目には、「関連する出典」の列に出典の番号を付けました。項目7〜9は、一般的な表示のルールとの関連を示しています。この表は、AIの誤りの頻度ではなく、求人票に必要な項目と表示のルールから組んでいます。「見る場所」は一次の資料か自社の書類、「確認の仕方」は点検の手順です。

# 点検すること 関連する出典 見る場所 確認の仕方
1 募集広告の6項目(募集主の名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金)が、下書きにそろっているか 出典4 表1/自社の募集情報 6項目を1つずつ、下書きの該当する一文に印を付ける。印のない項目は人が書き足す。住所はビル名・階数・部屋番号まで、連絡先は電話番号・メールアドレス・自社サイト上の専用の問い合わせフォームのいずれかを書く。会社サイトの募集要項へのリンクだけでは足りない
2 従事すべき業務と就業の場所の変更の範囲が書かれているか 出典5・6 厚生労働省・労働局の追加3点の案内/自社の雇用契約書 変更の範囲の記載を探す。書かれている場合は、実際の配置転換・異動の範囲と照らす。入力していない記載なら、現場の責任者が確かめる
3 有期労働契約の更新の基準と、通算契約期間・更新回数の上限が書かれているか 出典5・6 同上/自社の有期契約の運用 更新の基準が書かれているかを見る。上限を設けている場合は、その内容が書かれているか。上限が実際と違う書き方になっていたら直す
4 固定残業代の3点(計算方法・固定残業代を除いた基本給の額・超過分の割増賃金の追加支払い)が、そろっているか 出典8 指針(出典8)/自社の賃金の決め方を書いた書類 固定残業代を設けている場合は、3点が下書きにそろっているか。設けていないのに、固定残業代の記載が入っていないかも見る
5 試用期間の有無と期間が、実際と合っているか 出典9 Q&A(出典9)/自社の雇用契約書 下書きの試用期間の有無と期間が、実際と同じか。入力していない試用期間の記載が混ざっていないかも見る
6 賃金の書き方が、実際の賃金等よりも高額に見えないか 出典8(第四の二(三)) 指針(出典8)/自社の賃金の実際の支給額 金額に固定残業代・手当・賞与を含むか含まないかが書かれているか。年収の例に賞与を入れる場合は、賞与を含むことと、賞与を除いた月収を併せて書く(編集部の解釈)
7 残業時間の目安が、募集対象の実績か 出典10・5(一般的な表示のルールとの関連) 厚生労働省のQ&A(出典10)/自社の勤怠の集計 目安の数字の集計対象が、その募集対象の業務に従事する人か、全従業員の平均かを確かめる。募集対象の実績を月平均で書く(Q&Aは面接で聞かれた場合の望ましい対応。求人票への適用は編集部の整理)
8 AIが入れた、根拠の分からない数字・実績がないか 出典1・2・8(一般的な表示のルールとの関連) 自社の実績資料 下書きの数字と実績の表現を抜き出し、入力した情報と照合する。入力していない数字は出どころを確認し、自社の資料で確かめられなければ削除する
9 自社にない制度・福利厚生が混ざっていないか 出典1・2(一般的な表示のルールとの関連) 自社の就業規則・手当や福利厚生の一覧 制度名・手当名・休暇名を1つずつ、自社の規則と見比べる。無いものは削除し、条件つきの制度は条件を書く
10 公開時点で最新の内容か 出典1(第2項)・5・8(第四の三) 現在の募集条件/掲載日・更新日の表示 賃金・勤務時間・休日・就業場所・募集の状況が、今の実際と同じか。掲載日・更新日が書かれているか。募集を終えたら掲載を下げる。見直す日付を決める

この記事は、公開されている条文・指針・Q&Aを整理した情報提供であり、法的助言ではありません。個別の事案は、弁護士など専門家に確認してください。

項目1〜3 明示事項の抜けは、表1と下書きを並べて探す

下書きを読み通して抜けを探すより、表1の項目を1つずつ決めて、下書きの該当する一文に印を付ける方が、抜けに気づきやすくなります(編集部の整理)。印の付かない項目が、書き足す項目です。

変更の範囲と更新の基準は、自社の実際の運用を知っている人でないと確かめられません。自社の実際の運用は、入力しない限りAIには渡っていません。下書きにこれらの記載があれば、入力した情報から出た文かを見て、入力していない記載は、現場の責任者が実際の運用と照らします。

更新の上限は、設けていないのに「更新は通算○年まで」と書かれていても、設けているのに書かれていなくても、実際と合いません。どちらも直す対象です。

3点の書き方には、次の整理があります。更新の基準は、有期労働契約の募集だけが対象です(施行規則4条の2第3項)。変更が見込まれない職種では、変更の範囲の記載は要りません(Q&A問1-3)。更新の上限を設けていない場合に「上限なし」と書く必要はなく(Q&A問1-5)、「諸般の事情を総合的に考慮して判断する」のような抽象的な基準は、具体的に書くのが望ましいとされています(リーフレットとQ&A。出典5)。

項目4〜6 賃金まわりは、数字と内訳を実際の支給額に合わせる

固定残業代を設けている場合の書き方の形を、数字を入れずに示します(編集部の例)。

月給○○円(内訳:基本給○○円〔固定残業代を除く額〕、固定残業代○○円〔月○時間分の時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増賃金として支給〕)。月○時間を超えた分の割増賃金は、追加で支払います

固定残業代の算定の基礎の労働時間数と金額、固定残業代を除いた基本給の額、超過分を追加で支払うことが、この形に入っています(出典8)。AIの下書きがこれと違う形になっていたら、上の3点がそろうように直します。

賃金は、2つの規定に分けて見ます。1つ目は、賃金(臨時に支払われる賃金、賞与などを除く)の額に関する事項が、募集時の明示事項に入っていることです(出典9。職業安定法施行規則4条の2第3項)。2つ目は、賃金等(賃金形態、基本給、定額的に支払われる手当、通勤手当、昇給、固定残業代等に関する事項)を、実際よりも高額であるかのように表示してはならないことです(出典8。第四の二(三))。金額は、自社の実際の支給額から入力して渡し、下書きの数字が入力と一致するかを見ます。

項目7 残業時間の目安は、募集対象の実績で

厚生労働省のQ&Aは、面接で残業時間を聞かれた場合について、「当該企業の従業員全体の平均残業時間ではなく、その募集対象の業務に従事されている労働者の実際の残業時間を月平均で示す」ことが望ましいとしています(出典10)。同じQ&Aは、リーフレットの記載例「あり(月平均20時間)」と、求人申込書の「時間外労働【あり】の場合は、月平均残業時間数を記入して下さい。」も紹介しています(出典10)。求人票に目安を書くときも、募集対象の実績を月平均で選びます(編集部の整理)。下書きに「残業は少なめ」のような表現があれば、何の集計を指すのか、自社の勤怠の記録で確かめられる数字に置き換えます。

項目8・9 AIが入れた数字・実績・制度は、入力した情報にあるかで判断する

虚偽の表示と誤解を生じさせる表示の禁止(出典1)、明示する業務の内容等を虚偽または誇大な内容としないこと(出典8。第三の一(三)イ)、実際の労働条件と相違する内容を含むものの掲載を差し控えること(出典2)は、どれも、書かれた内容が実際と合っているかを問います。

下書きから、数字、制度の名前、実績の表現をすべて抜き出し、入力した情報のメモと突き合わせます。入力した情報に無いものは、AIが補った可能性があるため、出どころを確かめます。自社の書類で確かめられないものは載せません。言い切りの表現は、条件(資格・経験・シフト)を添えられないなら弱めます(編集部の整理)。

項目10 最新かどうかは、見直す日付を決めて確認する

職業安定法5条の4第2項は、正確かつ最新の内容に保つことを求めています(出典1)。厚生労働省のリーフレットは、募集広告などで情報を提供する場合に、掲載した時点を明示するなど、正確かつ最新の内容に保つ義務があると案内しています(出典5)。指針も、情報の時点を明らかにすることと、募集を終了・変更したら情報の提供を速やかに終了・変更することを挙げています(出典8。第四の三)。

賃金、勤務時間、休日、就業場所、募集の状況が変わったら、元の文を直します。募集を終えたら、掲載を下げます。AIに作り直させた場合は、別の文章になっているため、前回の点検結果は引き継げません。表2を最初から確認します。

4. AIに入力してよい情報のメモ — 入れるのは、求人票に載せる事実だけ

表3は、生成AIに求人票の下書きを頼むときの、入力する情報の線引きです。線引きは編集部の整理で、一般的な注意として書いています。

データの種類 入力 理由・確認
職種、仕事内容、就業場所、勤務時間、休日 入れる 求人票に載せる事実。表1の項目は、ここから渡す
賃金、固定残業代の内訳、手当、試用期間、雇用期間と更新の基準 入れる(自社の実際の値) 数字はAIに考えさせず、自社の実際の値を渡す
事業所の紹介、福利厚生・制度の一覧 入れる(自社の規則の表記どおり) 表2の項目9の照合に使う
応募者の氏名・連絡先・応募書類・面接の記録 入れない 個人情報(出典11)。求人票の作成に必要ない(編集部の整理)
従業員の個人別の給与・評価、個人が特定できる情報 入れない 同上(出典11)
取引先の名称、契約の条件、未公表の計画など社内の非公開情報 入れない 求人票に載せない情報は、渡さない

個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起(2023年6月2日)で、個人情報取扱事業者への注意点を2つ挙げています。1つは、個人情報を含むプロンプトを入力する場合に、利用目的の達成に必要な範囲内であることを確認することです。もう1つは、本人の同意なく個人データを入力し、応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合は、法違反となる可能性があるため、サービスを提供する事業者が機械学習に利用しないこと等を確認することです(出典11)。求人票の下書きに必要な情報は、自社の募集条件で足ります。応募者や従業員の個人情報を入れる場面は、求人票の作成にはありません(編集部の整理)。

入力する情報は、公開してよい事実に限ります。 利用するサービスの規約と設定画面で、入力した内容がどう扱われるかを確かめてから使います。

5. 今日の下書きを点検する — 手元の書類3つで回す順番

手元に出す書類は3つです。AIが作った下書き、実際に使っている雇用契約書または労働条件通知書、自社の就業規則と手当・福利厚生の一覧です。

生成AIで求人票を作るときの5つの手順(入力する情報を選ぶ・AIに下書きを作らせる・10項目で点検する・人が直して確定する・条件が変わったら見直す)と、手順ごとに使う表1〜3を対応させた図
生成AIで求人票を作るときの5つの手順(入力する情報を選ぶ・AIに下書きを作らせる・10項目で点検する・人が直して確定する・条件が変わったら見直す)と、手順ごとに使う表1〜3を対応させた図

進める順番は次のとおりです。

  1. 表3で、入力する情報を選ぶ。表1の項目は、自社の事実から渡す
  2. AIに下書きを作らせる
  3. 表2の10項目で、下書きを点検する。印を付け、直す項目を書き出す
  4. 表1と見比べながら、人が直して確定する
  5. 公開する日付と、見直す日付を記録する。条件が変わったら、項目10から確認する

点検の主体は人で、確定するのも人です。

よくある質問

求人票の下書きを生成AIに作らせてもよいですか?

求人を出す企業向けに、求人票へのAI利用を直接扱った公的な指針は、編集部が確認した範囲では2026年10月31日時点で見つかっていません。求人の表示には、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示の禁止と、正確かつ最新の内容に保つことが関わります(職業安定法5条の4。出典1)。AIで作った場合も、この記事の表2の10項目で点検してから出します。

2024年4月の改正で、求人票に追加された項目は何ですか?

2024年4月1日施行の職業安定法施行規則の改正で、募集時に明示する事項として、従事すべき業務の変更の範囲、就業の場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)の3点が加わりました(出典5・6)。労働契約を結ぶとき・更新するときの明示の追加は、別の改正です(出典7)。

AIに入力してはいけない情報は何ですか?

応募者の氏名や応募書類などの個人情報と、取引先や未公表の計画など社内の非公開情報は、求人票の作成に必要ないため入れません(編集部の整理)。個人情報保護委員会は、生成AIサービスへ個人情報を入力する場合の注意点を示しています(出典11)。

公開した後に募集の条件が変わったら、どうすればよいですか?

職業安定法5条の4第2項は、正確かつ最新の内容に保つことを求めています(出典1)。賃金、勤務時間、休日、就業場所、募集の状況が変わったら、元の文を直し、表2の項目10から確認します。AIに作り直させた場合は、表2を最初から確認します。

出典

  1. 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第5条の4「求人等に関する情報の的確な表示」。e-Gov法令検索、2026年10月31日取得。第1項「当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない。」(対象は、公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者)。第2項は、労働者の募集を行う者及び募集受託者が、募集に関する情報を正確かつ最新の内容に保つ旨。 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
  2. 全国求人情報協会(全求協)「倫理綱領・掲載基準」。求人情報提供事業各社に向けた綱領・基準。第2項・第3項、事前確認第6項。2026年10月31日確認。AIに関する記載は見つかっていない。 https://www.zenkyukyo.or.jp/jobmedia/ethics/
  3. 株式会社学情「キャリア採用業務での生成AIの活用などについてのインターネットアンケート」2026年6月15日公表(PR TIMES)。調査期間2026年3月16日〜4月10日、企業・団体の人事担当者、Web、有効回答295件。求人票の作成・ブラッシュアップ65.3%は、キャリア採用への生成AI利用に前向きな企業に聞いた複数回答で、母数の人数は記載なし。2026年10月31日確認。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001540.000013485.html
  4. 厚生労働省の説明ページ(募集広告に必要な6項目)と、同ページの募集主向けQ&A(住所はビル名・階数・部屋番号まで、連絡先は電話番号・メールアドレス・自社サイト上の専用の問い合わせフォームのいずれか、会社サイトの募集要項へのリンクのみは不可)。募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先(電話番号等)・業務内容・就業場所・賃金。あわせて、通知「職業安定法第5条の4第1項で求めている内容について」(職需発1218第1号、令和6年12月18日)。2026年10月31日確認。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1_00006.html / https://www.mhlw.go.jp/content/001358742.pdf
  5. 厚生労働省の説明ページ(職業安定法施行規則、2024年4月1日施行)。募集時の明示事項の追加3点。対象は求人企業・職業紹介事業者など、労働者の募集や職業紹介を行う場合。同ページ掲載のリーフレット(記載例、抽象的な更新基準は具体的に書くのが望ましい旨、「掲載した時点を明示する」旨)と「令和5年 改正職業安定法施行規則Q&A(労働条件明示等)」(令和5年12月時点版。問1-3、問1-4、問1-5)。2026年10月31日確認。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/r0604anteisokukaisei1.html / https://www.mhlw.go.jp/content/001114110.pdf / https://www.mhlw.go.jp/content/001183267.pdf
  6. 山口労働局「求人票に明示する労働条件が新たに3点追加されました」。ハローワークへの求人申込みでの①〜③の明示の依頼。2026年10月31日確認。 https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/news_topics/topics/kyujinn_henkou.html
  7. 熊本労働局の案内ページ(労働契約の締結時・更新時の明示事項の追加。労働基準法施行規則、2024年4月1日施行、4項目)。募集時ではなく、締結・更新時の明示。出典5のリーフレット2ページ目にも、労働契約締結時の明示について同様の改正が行われた旨の記載がある。2026年10月31日確認。 https://jsite.mhlw.go.jp/kumamoto-roudoukyoku/newpage_00847.html
  8. 「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号。厚生労働省 t_doc 掲載、令和6年10月11日告示第318号まで改正)。固定残業代=第三の一(三)ハ、虚偽又は誇大な内容としない=第三の一(三)イ、賃金等を実際よりも高額に表示しない=第四の二(三)、募集の終了・変更時の情報の終了・変更と情報の時点を明らかにすること=第四の三(一)(二)。固定残業代の明示は、労働条件の説明ページ・スタートアップ労働条件Q&Aでも確認。2026年10月31日確認。 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00005680&dataType=0&pageNo=1 / https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya_roudoujouken.html / https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/chingin/q11.html
  9. 厚生労働省「スタートアップ労働条件」事業主向けQ&A(q5)。募集時の明示事項(③試みの使用期間に関する事項、⑦賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労基則8各号に掲げる賃金を除く。)の額に関する事項)。2026年10月31日確認。 https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/koyou/q5.html
  10. 同Q&A(q10)。面接で残業時間を聞かれた場合の示し方。リーフレットの記載例と求人申込書の記載の紹介を含む。2026年10月31日確認。 https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/koyou/q10.html
  11. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」2023年6月2日。個人情報取扱事業者における注意点((1)①②)。2026年10月31日確認。 https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/ / 別添1 https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf
  12. 厚生労働省職業安定局「将来を見据えたハローワークにおけるAI活用について」令和7年4月22日。ハローワークが目指す姿として、問い合わせ、初期登録や履歴書・求人票の作成・添削、検索等をAIによりサポートする旨。2026年10月31日確認。 https://www.mhlw.go.jp/content/11601100/001478507.pdf