書類選考のAI活用で人が決めること — 4つの仕事の線引き表と点検3項目
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書類選考のAI活用で人が決めること — 4つの仕事の線引き表と点検3項目

/ 約22分 / 執筆: 株式会社Beta(ツバメAI面接 運営)

ChatGPTなどの生成AIツールで書類選考を進める採用担当・店長向けに、要約・項目抽出・スコア・合否の線引き表、AIに渡さない情報のリスト、月次の点検3項目を示します。書類選考へのAI利用を直接扱った公的な指針は、調べた範囲では見つかっていません。

介護や店舗、物流などの現場で、履歴書・職務経歴書・応募フォームの回答をChatGPTなどの生成AIツールに読ませて、確認を速くしたいと考える採用担当・店長の方に向けた記事です。何を入れ、どこまで任せるかを、道具3つにまとめました。AIを入れる工程そのものの整理は、採用にAIを入れる前に決める5つのこと — 7工程の向き不向き表と10問診断にあります。

この記事で持ち帰るものは、次の3つです。

  • 表1 補助範囲の線引き表: 要約・項目抽出・スコア・合否の4つについて、補助に使うか、条件、人が決めること
  • 表2 AIに渡さない情報リスト: 採否に持ち込まない事項と、伏せて入れる個人情報
  • 表3 月次の点検3項目: 入力した情報・AIの出力・採否への使い方を、月に1回見る

先に結果を書くと、書類選考への生成AIの利用を直接扱った日本の公的な指針は、編集部が確認した範囲では、2026年11月2日時点で見つかっていません。 表1の線引きは編集部の整理、表2の「削除してから入れる」運用と表3の点検は編集部の提案で、採用選考の一般ルールを書類の段階に当てはめた解釈を含みます。法令や指針の当てはめにあたる箇所だけ、本文に「編集部の読み」と付けます。確認日は出典ごとに出典欄に書いています(職業安定法・厚生労働省の指針・PPCのガイドラインは2026年11月2日)。

1. 書類選考へのAI利用を直接扱う公的な指針は見つかっていません — 根拠にするのは採用選考の一般ルールです

調べたのは、厚生労働省の公正採用選考のページ、職業安定法の条文(e-Gov法令検索)、厚生労働省の指針、個人情報保護委員会(PPC)のガイドライン(通則編)とFAQ、PPCの生成AIに関する注意喚起と、その検索結果です。AI事業者ガイドライン(第1.2版)は、本文に採用・人事の記載がありません。別添には、エントリーシートの書類選考の参考情報に使うAIの例と、履歴書で学習したAIが女性を差別した事例が、リスクの例として載っています。書類選考の進め方を示すものではありません(出典1)。次の3つは、この範囲では見つかりませんでした。

  • 書類に書かれていない属性をAIが推定する場面を扱った公的な記載(別添の差別的出力の例は、学習データの偏りによる差別で、推定を扱ったものではありません)
  • 生成AIに応募書類を入れてよいかを直接答えた公式のQ&A(PPCのFAQの目次を確認した範囲では、生成AIへのプロンプト入力を扱う項目は見当たりませんでした)
  • 新卒採用以外(中途・アルバイトなど)で、書類選考へのAI利用率を測った中立の調査

ただし、「無い」と断定できる調べ方はしていません。

見つからないことは、AIに任せてよいという意味ではありません。採用選考に関わるルールは、考慮してはいけない事項や、個人情報の扱い方を定めていて、判断の材料を何で作ったかを区別していません(編集部の読み)。そこでこの記事は、AIの要約や点数を、人が作った材料と同じ基準で扱う形で組みました。

利用の実態は、新卒採用の企業側の数字があります。リクルート就職みらい研究所『就職白書2026』(2025年12月〜2026年1月調査)では、新卒採用を実施または予定する企業(n=1,182)のうち、AIを導入している企業は19.1%でした。導入企業(n=226)がAIを使っている採用プロセス(複数回答)は、書類選考(エントリーシートを含む)が16.4%(導入企業の約6分の1)、応募者のスクリーニングが12.8%です(出典2)。現場職の中途やアルバイトの書類選考の数字ではありません。

海外では、EUのAI規則(附属書III 4(a))が、応募書類の分析・絞り込みを含む採用・選抜のAIを高リスクに分類しています(出典3)。

2. 補助範囲の線引き表 — 要約・項目抽出・スコア・合否

表1は、書類選考でAIにさせる仕事を4つに分け、補助に使うか、条件、人が決めること、参照した資料を並べたものです。「参照した資料」の列は、線引きを考えるときに読んだ資料です(経団連は民間団体の報告書で、法令ではありません)。本文の「属性」は、PPCのガイドライン(通則編)の事例5が挙げる性別・国籍などを指します(出典7)。

仕事 補助に使うか(編集部の整理) 条件 人が決めること 参照した資料
要約 補助に使う 書類に書かれていることを短くする範囲にとどめ、原文にない情報を足させない。表2の事項を除いた版を入れる。要約は原文と突き合わせて使う 気になった点を原文で確かめるか。通過させるか 出典4(収集目的の範囲内での保管・使用)・出典5(入力面)。「原文にない情報を足させない」は編集部の整理
項目抽出 補助に使う 抽出する項目を募集ごとに先に決め、業務に必要な範囲に限る(例: 保有資格、関連する実務経験の年数、勤務できる曜日・時間帯、入社可能時期)。表2の事項は項目に入れない 抽出する項目の一覧。抽出結果の転記ミスの確認 出典4(業務の目的の達成に必要な範囲内での収集)・出典6
スコア(点数・ランク付け) 条件つきで補助に使う 見る観点と配点を人が先に書いて渡す。観点にも入力にも、属性と表2の事項を入れない。点数と理由を保存する。全件を人が読む前提で、点数は読む順番を変えるだけにする 観点と配点。点数を見て、どの書類から読むか 出典6・出典7・出典8
合否(通過・不通過の判定) AIに任せない AIの出力は材料まで。「通過」「不通過」の判定をそのまま採用しない 通過・不通過の確定と、その理由の記録 出典9(人間の意思決定のサポートという位置づけ)

この記事は、公開されている条文・指針・Q&Aを整理した情報提供であり、法的助言ではありません。個別の事案は、弁護士など専門家に確認してください。

要約と項目抽出 — 原文にない情報を足させず、集める項目は業務に必要な範囲に絞る

職業安定法5条の5第1項は、求人者、労働者の募集を行う者及び募集受託者などに、求職者等の個人情報を「その業務の目的の達成に必要な範囲内で」、目的を明らかにして収集し、「当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない」と定めています。本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りではありません(出典4)。主語に募集を行う者が含まれるため、自社で募集をする企業にも及ぶと読めます(編集部の読み)。

AIによる要約や項目抽出は、応募書類の「使用」にあたると読めます(編集部の読み)。そこで、目的は選考に限り、抽出する項目は募集の業務に必要な範囲に絞ります。抽出する項目は、書類を渡す前に、募集ごとに人が書き出します。

要約では、書類にない経験や意欲が足されていないかを、原文と見比べます。「意欲が高そう」のような、書類にない評価の言葉は、原文に戻って確かめます。

スコア — 観点と配点は人が書き、属性は入れない

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」のページは、採用選考の基本的な考え方として、応募者の基本的人権を尊重することと、応募者の適性・能力に基づいた基準により行うことを挙げています(出典8)。スコアは、この「基準」をAIに当てはめさせる作業です。観点と配点を人が先に書いて渡さなければ、何を基準にした点数かを後から確かめられません。

点数は、全件を人が読むことが前提で、読む順番を変えるだけです。点数だけで不通過にした書類がないかは、表3の項目3で確かめます。

個人情報保護法の不適正利用の禁止(法19条)に関するPPCのガイドライン(通則編3-2)は、事例5として「採用選考を通じて個人情報を取得した事業者が、性別、国籍等の特定の属性のみにより、正当な理由なく本人に対する違法な差別的取扱いを行うために、個人情報を利用する場合」を挙げています(出典7)。AIの利用に限った記載ではありません。AIの要約やスコアの結果を属性で使う場面への当てはめは、編集部の読みです。観点にも入力にも属性を入れないことが、この事例を避ける運用の基本になります。

合否 — AIの出力は材料まで、確定するのは人

経団連の報告書(2026年4月)は、「HR部門でのAI活用はあくまで人間の意思決定のサポート機能として位置づけることが肝要」とし、採用の例では合否の確定を、AIが判定した理由を把握したうえで人間が責任をもって最終的に意思決定するステップに置いています(出典9。PDF13ページ、資料内表記12)。法令ではありません。書類の段階でも同じ線を引き、AIの出力は材料で、通過・不通過を確定するのは人です。

3. AIに渡さない情報リスト — 削除してから入れる

表2は、公的な禁止リストではなく、編集部の線引きです。書類をAIに入れる前に取り除く情報を、大きく2種類に分けました。ひとつは、採否に持ち込まない事項です。もうひとつは、要約・項目抽出・スコアに必要がない、個人を特定する情報です。

区分 情報 渡さない理由 参照した資料
採否に持ち込まない事項(本人に責任のない事項) 本籍・出生地 就職差別につながるおそれがある事項として挙げられている 出典6。指針も本籍・出生地を、収集を原則禁じる事項に挙げる(出典10)
採否に持ち込まない事項(本人に責任のない事項) 家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など) 就職差別につながるおそれがある事項として挙げられている 出典6
採否に持ち込まない事項(本人に責任のない事項) 住宅状況、生活環境・家庭環境 就職差別につながるおそれがある事項として挙げられている 出典6
採否に持ち込まない事項(本来自由であるべき事項) 宗教、人生観・生活信条、思想、支持政党 就職差別につながるおそれがある事項として挙げられている 出典6。思想・信条にかかわる事項は、指針も収集を原則禁じる(出典10)
採否に持ち込まない事項(本来自由であるべき事項) 購読新聞・雑誌・愛読書、尊敬する人物 就職差別につながるおそれがある事項として挙げられている 出典6
採否に持ち込まない事項(本来自由であるべき事項) 労働組合・学生運動などの社会運動に関すること 就職差別につながるおそれがある事項として挙げられている 出典6。労働組合への加入状況は、指針も収集を原則禁じる(出典10)
個人を特定する情報 氏名、住所、電話番号、メールアドレス、顔写真 要約・項目抽出・スコアに必要がない。入力に個人データが含まれる範囲を小さくする 出典5
要配慮個人情報にあたる記載 病歴、信条、社会的身分、犯罪の経歴など 要配慮個人情報は、不当な差別や偏見が生じないよう取扱いに特に配慮が要る個人情報。原則として取得に本人の同意が要る情報(法20条2項)で、選考に使う理由も、AIに渡す理由もない(編集部の整理) 出典11

採否に持ち込まない事項 — AIに推定させても同じです

厚生労働省のページは、就職差別につながるおそれがある具体的事項として、「など14事項」を挙げています。14事項は3つに分かれます。(a)本人に責任のない事項が4つ、(b)本来自由であるべき事項が7つ、(c)採用選考の方法が3つ(身元調査などの実施、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施、本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用)です。(a)(b)の11事項が書類の記載内容にあたるため、表2に並べました。残る3事項は採用選考の方法です。確認した範囲では、このページにAIや推定への言及はありません(出典6)。AIに推定させて考慮させても、同じ事項を採否に持ち込むことになる、というのが編集部の読みです。

厚生労働省の指針(平成11年労働省告示第141号)は、収集してはならない個人情報として、人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況の3つを挙げています。特別な職業上の必要性があるなど、業務の目的の達成に必要不可欠で、収集目的を示して本人から収集する場合は例外です(出典10)。収集禁止の項目に付いた注1は、「「職業紹介事業者等」には、労働者の募集を行う者や求人者も含みます」としています。収集禁止の規定は、自社で募集をする企業にも及ぶと読めます(編集部の読み)。

書類に書かれてきた事項は、削除してから入れる

応募書類は応募者が自由に書くため、表2の事項が書かれてくることがあります。AIに入れる版は、原本をコピーして、該当の箇所を削除または黒塗りして作ります(編集部の提案)。氏名などの識別情報は、応募者の番号に置き換えます。AIの出力は番号で受け取り、結果は人が応募者に戻します。ただし、氏名を番号に置き換えても、職歴・勤務先・学校名などから個人を特定できる場合は、個人情報のままと考えて扱います(編集部の整理)。

人が原本を読むときも、表2の事項は採否に使いません。削除の目的は、AIの出力に表2の事項が混ざる入口を減らすことです。応募フォームの欄を、募集の業務に必要な項目に絞っておくと、削除の手間も減ります(編集部の提案)。14事項の(c)にある「本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用」は、欄を絞る提案の公的な手がかりになります(出典6)。

属性の推測が出てきたとき — 2つの物差しを分けて読む

AIの要約や点数の理由に、書類に書かれていない属性の推測が混ざっていたら、その出力は使いません。PPCのFAQ(Q4-9)は、障害や疾患の事情が推知されるにすぎない場合は、そもそも要配慮個人情報に該当しないとしています(出典12。本人の話し方や振る舞いから取得した場合の質問で、AIによる推定を扱ったものではありません)。これは個人情報保護法の物差しです。採否に持ち込むおそれがある事項を挙げる厚生労働省の物差し(出典6)とは別で、推知にすぎないから使ってよい、とはなりません(編集部の読み)。

入力先のサービスの扱い — 規約と設定画面で確かめる

PPCの注意喚起(2023年6月2日)は、個人情報取扱事業者への注意点を2つ挙げています。1つは、個人情報を含むプロンプトを入力する場合に、利用目的の達成に必要な範囲内であることを確認することです。もう1つは、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合は、法違反となる可能性があるため、サービスを提供する事業者が機械学習に利用しないこと等を確認することです(出典5)。

クラウドサービスの利用が個人データの第三者提供や委託にあたるかを、PPCのFAQ(Q7-53)は、クラウド事業者が個人データを取り扱うことになっているかで整理しています(出典13)。クラウドサービス一般の整理で、生成AIへの言及はなく、同じ整理で足りるかは分かりません。専門家に確認する点です。

入れる前に、利用するサービスの規約と設定画面で、入力した内容がどう扱われるかを確かめます。

4. 月次の点検3項目 — 入力・出力・使い方を月に1回見る

AIを使う書類選考の点検方法を示した公的な資料は、編集部が確認した範囲では見つかっていません。表3は編集部の提案です。月に1回、直近の書類選考から、AIに入れた書類を数件ずつ抜き出して、3項目を確かめます。

# 点検すること 見る場所 確認の仕方 記録に残すもの
1 入力した情報の範囲 AIに入れた文面(書類の写し)/利用サービスの設定と規約 表2の事項や識別情報が残っていないか。入力は募集ごとに決めた項目の範囲か。サービスの設定や規約に変更がないか 点検日、見た件数、残っていた事項と直した方法
2 AIの出力で属性が使われていないか AIの要約・抽出結果・スコアの理由 表2の事項や、書類にない属性(性別・国籍など)、家族・年齢・出身・健康の推測が出ていないか。観点にない理由で点数が付いていないか 出ていた件数と書かれ方、使わないと決めた対応
3 AIの出力を採否にどう使ったか 通過・不通過の記録/AIの出力 通過・不通過を確定した人と日付が残っているか。AIの出力と違う判断をした書類の理由が残っているか。点数だけで不通過にした書類がないか 確定者、AIと違う判断をした件数と理由

点検の記録は、AIをどう使ったかを後から説明する材料になります。

5. 手元の書類で確かめる — 直近の書類選考から回す順番

手元に用意するのは、直近の書類選考でAIに入れた文面とAIへの指示文、AIの出力(要約・抽出結果・点数)、通過・不通過を決めた記録です。

書類選考でAIを使うときの5つの手順(渡さない情報を除く・仕事と観点を決めて依頼する・出力を原文と突き合わせる・人が確定して記録する・月に1回点検する)と、手順ごとに使う表1〜3を対応させた図。AIが補助する範囲は手順2(要約・項目抽出・スコア)のみで、手順1・3・5は人が行い、手順4の通過・不通過の確定はAIに任せない
書類選考でAIを使うときの5つの手順(渡さない情報を除く・仕事と観点を決めて依頼する・出力を原文と突き合わせる・人が確定して記録する・月に1回点検する)と、手順ごとに使う表1〜3を対応させた図。AIが補助する範囲は手順2(要約・項目抽出・スコア)のみで、手順1・3・5は人が行い、手順4の通過・不通過の確定はAIに任せない

進める順番は次のとおりです(編集部の提案)。

  1. 表2で、渡さない情報を除いた版を作る。氏名などは応募者の番号に置き換える
  2. 表1で、AIにさせる仕事(要約・項目抽出・スコア)を決める。抽出する項目と、観点・配点を人が先に書いて依頼する
  3. AIの出力を原文と突き合わせる。表2の事項や、書類にない属性の推測が出ていたら、その部分は使わない
  4. 表1の「合否」の行に沿って、通過・不通過を人が確定し、確定した人と理由を記録する
  5. 月に1回、表3の3項目を点検する。問題が見つかったら、表2か表1に戻る

AIの出力は材料で、確定するのも、点検するのも人です。

応募者への利用目的の示し方、不合格の確定、開示請求を受けたときの備えは、AI面接を題材にした記事で項目として整理しています。

よくある質問

応募書類を生成AIに入れてもよいですか?

応募書類を生成AIに入れてよいかを直接答えた公式のQ&Aは、編集部が確認した範囲では2026年11月2日時点で見つかっていません。PPCの注意喚起は、個人データを含むプロンプトを入力する場合の注意点を示しています(出典5)。表2の事項と識別情報を除いた版を入れ、サービスの規約と設定画面で入力内容の扱いを確かめてから使います。

AIの点数が低い書類を、点数だけで不通過にしてもよいですか?

点数だけでの不通過を禁じた日本の明文は、編集部が確認した範囲では見つかっていませんが、問題がないという意味ではありません。点数は読む順番を変えるだけにとどめ、不通過の確定は人が行います(表1・表3の項目3)。

履歴書に家族のことや宗教が書かれていたら、どうすればよいですか?

応募者が書いてきた場合も、採否には使いません。厚生労働省は、家族に関すること、宗教などを、就職差別につながるおそれがある事項として挙げています(出典6)。AIに入れる版からは、該当の箇所を削除します。

月次の点検では、何を見ますか?

入力した情報の範囲、AIの出力に属性が使われていないか、AIの出力を採否にどう使ったかの3つです。公的な点検方法は見つかっておらず、編集部の提案です。

出典

  1. 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」2026年3月31日(令和8年)。本編・概要に採用・人事の記載なし。別添p.9の表3にAIシステム・サービス例として採用AI(エントリーシートの書類選考の参考情報に使うAI)、p.19に人材採用AIサービスの個人情報の不適切な取扱いの事例、p.20に差別的出力(履歴書で学習したAIの女性差別)と過度な依存(人材採用活動等でのAI判断のそのまま利用)。2026年11月2日確認。 https://www.soumu.go.jp/main_content/001064279.pdf / https://www.soumu.go.jp/main_content/001064286.pdf / https://www.soumu.go.jp/main_content/001064299.pdf
  2. 株式会社リクルート 就職みらい研究所『就職白書2026』データ集、2026年2月。企業調査は従業員5人以上の企業1,196社回答(2025年12月1日〜2026年1月7日)。AI導入状況は図表130(新卒採用を実施または実施予定の企業n=1,182、単一回答)で、導入している19.1%。導入プロセスは図表131(AI導入企業n=226、複数回答)で、書類選考(ES含む)16.4%、応募者のスクリーニング12.8%。新卒採用の企業側の数字。編集部が2026年9月24日にPDFで確認(Vol07の出典2と同じ資料)。2026年11月2日時点で、このURLは移転先(https://jbrc.recruit.co.jp/)へ転送され、移転先は開けなかった。 https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2026/02/hakusho2026_data.pdf
  3. 欧州委員会 AI Act Service Desk「Annex III: High-Risk AI Systems Referred to in Article 6(2)」4(a)。採用・選抜に用いるAIとして、応募書類の分析・絞り込みと応募者の評価を高リスクに分類。2026年11月2日確認(英語原文)。 https://ai-act-service-desk.ec.europa.eu/en/ai-act/annex-3
  4. 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第5条の5。e-Gov法令API、2026年11月2日取得。第1項は求人者、労働者の募集を行う者及び募集受託者などを主語とし、個人情報の収集・保管・使用の範囲を定める。第2項は適正管理の措置。 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawNum=昭和二十二年法律第百四十一号;article=5_5
  5. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」2023年6月2日。個人情報取扱事業者における注意点((1)①②)。2026年11月2日確認。 https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/ / 別添1 https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf
  6. 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」。就職差別につながるおそれがある具体的事項(「など14事項」)。(a)本人に責任のない事項4、(b)本来自由であるべき事項7、(c)採用選考の方法3を、ページ本文で確認。AI・推定の記載は確認できていない。2026年11月2日確認。 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/consider.html
  7. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-2(不適正利用の禁止、法19条)事例5。版は平成28年11月(令和8年6月一部改正)。2026年11月2日確認。 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
  8. 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「公正な採用選考の基本」。「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」(同ページの「採用選考の基本的な考え方」の節)。2026年11月2日確認。 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html
  9. 一般社団法人日本経済団体連合会「HR部門におけるAI等の活用に関する報告書」2026年4月14日。引用文と合否の確定の位置づけはPDF13ページ(資料内表記12)(編集部が2026年10月29日にPDFテキスト抽出で確認)。ヒアリングとアンケートに基づく報告で、法令ではない。 https://www.keidanren.or.jp/policy/2026/016.pdf
  10. 「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が…適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号)第五(法5条の5)1(2)。収集禁止の3類型と例外、注1(「職業紹介事業者等」には、労働者の募集を行う者や求人者も含みます)。労働局の抄本(「第5 法第五条の五」表記)。令和4年厚生労働省告示第143号改正時点の版(厚生労働省PDF、「第四 法第五条の四」表記)でも、収集禁止の本文・3類型・例外は同文で、同版の趣旨は「職業紹介事業者等」に求人者と労働者の募集を行う者を含めると定義している。現行告示の原本は未確認。2026年11月2日確認。 https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-hellowork/jigyounushi/kousei_saiyou/kojinjouhou/shishin.html / https://www.mhlw.go.jp/content/000924131.pdf
  11. 個人情報保護委員会「ガイドライン(通則編)」3-3-2(法20条2項。要配慮個人情報の取得制限)。版は平成28年11月(令和8年6月一部改正)。2026年11月2日確認。 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
  12. 個人情報保護委員会 FAQ Q4-9。「障害や疾患の事情が推知されるにすぎない場合は、そもそも要配慮個人情報に該当しません。」2026年11月2日確認。 https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q4-9/
  13. 個人情報保護委員会 FAQ Q7-53(クラウドサービスの利用と第三者提供・委託)。判断の基準は、クラウド事業者が個人データを取り扱うことになっているか。生成AIを直接扱うものではない。2026年11月2日確認。 https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q7-53/